エルメスの数多くのアイテムの中でも
シルバージュエリーは
「ボーダーレス」なアイテムだと言っても過言ではない。
タイムレス、シーズンレス、ジェンダーレス。
いつ、どこでも、男女関係なく誰でも関係なく自由に。
個性に合わせて身につけられるアイテムだと思う。
今回のスポットライトでは
一度その魅力に堕ちると抜けられない
エルメスのシルバージュエリーにフィーチャー。
"馬具からジュエリーへの自然な展開"
以前の記事でも触れたことがあるが、
エルメスは本来馬具やサドルなどの高品質な革製品を製造するメーカーとして
成長していたブランド。
これらの製品に関連する金属パーツ(バックルやハードウェア)も製造していたため、
馬具に使われる金属部品を小型化し、
ジュエリーとしてのエレガントなアイテムを開発する流れはごく自然な流れであった。
エルメスがシルバージュエリーを展開し始めたのは、1930年代後半。
1938年にロベール・デュマ(Robert Dumas)がデザインした
「シェーヌ・ダンクル(Chaîne d’Ancre)」ブレスレットの発表が、
エルメスが本格的にシルバージュエリーの分野に進出するきっかけとなった。
"シルバージュエリーの魅力"
エルメスのシルバージュエリーは、
主にスターリングシルバー(純銀92.5%)で作られている。
シルバージュエリーは時間とともに
自然に酸化して色が変わることがあるが、お手入れ方法は比較的簡単。
専用のシルバーポリッシュやクロスを使えば、輝きを保つことができる。
適切なメンテナンスを行うと、永久に使うことができる上、
金に比べると価格もお手頃!
"おすすめアイテム5選"
シェーヌ・ダンクル
(Chaîne d’Ancre)
エルメスのシルバージュエリーの中で最も古く、象徴的なデザイン。
ロベール・デュマ(Robert Dumas)がアンカーチェーンにインスパイアされ、
1938年にデザインしたもの。
シンプルでありながら洗練された美しさを持っているのが特徴で
男女問わず使えるユニセックスなデザイン。
シェーヌ・ダンクルは、
エルメスのシルバージュエリーの歴史の中で重要な位置を占めており、
発売より80年以上過ぎた今でも愛され続けている。
ブックルセリエ
(Boucle Serier)
ブックルセリエが登場したのは2000年代の初頭だが、
エルメスの馬具製造における歴史と伝統を反映されている。
バックルのモチーフが、エレガントでありながらも力強い印象を与え、
日常使いから特別な場面まで幅広く活用できる。
また、エルメスのロゴやブランドアイデンティティを感じさせるデザインであり、
エルメスファンにとって特別な意味を持つアイテム。
ケリーモチーフ
(Kelly)
ケリーバッグにインスパイアされたデザインで、
特に1950年代に人気を博した。
ケリーリングやブレスレットは、
ミニチュアのバッグの留め具やパッドロックをモチーフにした
シンプルでエレガントなスタイルが特徴。
ケリーデザインは、エルメスのシルバージュエリーの中でも
クラシックなアイテムとして知られている定番アイテムである。
エクリプス・ルバン
(Eclipse Ruban)
エクリプスは皆既日食という意味で
ルバンはリボンという意味。
名前が示すように、リボンのようにしなやかで流れるような曲線が特徴。
パンチングのHロゴが表と内側に施され、
まるで皆既日食のように重なるデザインになっている繊細なリング。
比較的新しいシリーズであり、
2000年代以降に展開されたものと考えられる。
ヒストリーリング
(History Ring)
ヒストリーリングは、2000年代に初登場。
この時期は、エルメスが伝統的なデザインを
現代的なジュエリーとして再解釈し、
新たなファッションアイテムとして市場に投入した時期でもある。
エルメスの象徴的なHモチーフとともに
両側からリンクされたようなデザインが特徴的。
これらはエルメスの過去と現在をつなぐという意味がこもっていて、
エルメスの長い歴史と
クラフトマンシップに対する敬意を表している。